「作業」ではなく「仕事」を。
技術屋としての誇りを取り戻した場所。
整備士小石 悠司
2009年中途入社
2級ガソリン自動車整備士
自動車整備の専門学校を卒業後、大手自動車メーカー系のディーラーに入社。約7年間の勤務を経て、自身の技術の幅と将来への可能性を広げるべく、2009年に高栄自動車工業へ中途入社。現在は、軽自動車から大型トラックまで多種多様な整備を担当。確かな技術と顧客対応力で、社内外から厚い信頼を寄せられるベテラン整備士として活躍中。

# 01YUJI
KOISHI
転職のきっかけ
決められたレールの上を、歩くだけの日々との決別
高栄自動車工業に入社したのは、2009年のことです。それ以前は、新卒で入社したメーカー系のディーラーでメカニックとして働いていました。学生時代から車が好きで、専門学校で学び、2級整備士の資格を持って飛び込んだ世界。最初は夢中で仕事を覚えていきましたが、数年が経ち、仕事に慣れてくるにつれて、徐々に見え始めたディーラーならではの“限界”に、私は悩み始めることになったんです。
というのも、ディーラーでの仕事は、そのメーカーの車種に限られます。そして、入ってくる仕事の大半は車検整備やリコール対応。「壊れた箇所を探求して直す」というよりも、「決められた手順で部品を交換する」という作業の繰り返し。もちろん、それも大切なお客さまの安全を守る重要な仕事です。しかし、「壊れたものを直したい」「もっと深い技術を身につけたい」という、私が整備士を目指した原点にある想いとは、少しずつズレが生じていました。
さらには、将来への不安もありました。当時の職場は、どれだけ技術を磨いても、給与にはなかなか反映されにくい環境だったんです。給与を上げるには工場の等級を上げるか、管理職である工場長を目指すしかなかったですから。
技術者としての成長の天井と、生活者としての将来の不安──。その二つの閉塞感を打破するために、転職という道を選びました。そして出会ったのが、高栄自動車工業だったんです。

高栄自動車工業との出会い
「見たことのない世界」が、私を技術者へと引き戻した
高栄自動車工業を知ったきっかけは、知人からの紹介でした。「大手レンタカー会社の仕事を受けている工場があるよ」と教えてもらい、まずは見学に行ってみることにしたんです。そして、工場の敷地に足を踏み入れた瞬間、圧倒されました。ここには、私がディーラー時代に扱っていた軽自動車や乗用車だけでなく、見たこともないような大型トラックや特殊車両がズラリ。エンジンの大きさも、構造の複雑さも、これまで触れてきたものとは桁違いで、「世の中には、こんな整備の世界があるのか」と衝撃を受けたんです。
「ここでなら、自分の知らない技術を学べるかもしれない」「ここなら、もっと腕を磨いていけるかもしれない」と、直感しました。他の工場を探す選択肢もありましたが、この多様な車種と、活気ある工場の雰囲気から、「ここで挑戦したい」と思ったんです。
とはいえ、正直に言えば、最初は不安もありました。トラックや大型車の整備は未経験。それに、整備工場といえば「職人気質で怖い先輩がいる」「技術は見て盗めと突き放される」というイメージが強かったからです。しかし、入社してそのイメージはすぐに覆されました。先輩方は、見た目こそ職人そのものですが、中身は驚くほど温かく、面倒見の良い人たちばかり。「困っていることはないか?」「そこはこうやるんだぞ」と、向こうから気さくに声をかけてくれる。わからないことを聞けば、作業の手を止めて丁寧に教えてくれる。「怒鳴られる」「放置される」といったことは一切ありませんでした。
もちろん、プロとして仕事には厳しい。けれど、その奥には温かさがある。
突き放すのではなく、育てようとしてくれる先輩たちの存在が、未経験で飛び込んだ私を支えてくれました。
この環境だったからこそ、安心して技術習得に没頭できたのだと思います。

仕事の面白さ
5万キロと30万キロの違い。そこにあるのは「本物の整備」
ここでの仕事は、毎日が発見と挑戦の連続です。以前の職場では、走行距離5万キロ程度で「結構走っているな」と感じていましたが、ここでは20万キロ、30万キロ走っている車が当たり前のように入庫します。事業用車両として酷使されている車たちは、乗用車では考えられないような箇所が摩耗し、破損していることも。「こんな壊れ方をするのか」と驚くようなトラブルもしばしばです。
マニュアル通りの対応では太刀打ちできません。だからこそ、私たちは「お客さまの声」を何よりも大切にします。どんな音がしたのか、どんな時に調子が悪くなるのか。お客さまから得た情報を頼りに、五感を研ぎ澄ませて原因を探求する。先輩方の経験則やアドバイスを借りながら、一つひとつ可能性を潰していく。それはまさに、謎解きのような面白さがありますね。
ひとつ、印象に残っている仕事があります。他社の整備工場で修理したものの、「どうしてもエンジンの調子が悪い」「症状が直らない」と持ち込まれた、年式の古い車がありました。一見しただけでは原因がわからず、非常に難解な案件。しかし、私には「他で直せなかったものを、ウチで直したい」という技術者としての意地がありました。配線図を広げ、一つひとつ電圧を測り、過去の整備記録を洗い直し、考えられる原因を徹底的にチェック。お客さまとも直接電話でやり取りをし、「ここも怪しいので点検させてください」「部品を交換してみてもいいですか」と相談を重ねました。そうして試行錯誤の末、ある部品を交換したところ、嘘のようにエンジンの症状がピタリと治まったのです。
「直りましたよ、もう大丈夫です」そう伝えてお車を引き渡した時のお客さまの、あの安堵したような、驚いたような笑顔。そして「ありがとう、本当に助かったよ」という言葉。他社でサジを投げられた車が、自分の手が触れたことで再び元気に走り出す。その瞬間に、私は震えるほどの喜びを感じました。「ただ部品を替えるだけの人」ではなく、「車を直す技術者」になれた。まさに、そう実感できた瞬間でしたね。

技術者としてのやりがい
「頑張れば報われる」という当たり前の喜びが、ここにはある
技術面でのやりがいと同様に、私が転職して良かったと心から感じるのが、「正当な評価制度」です。高栄自動車工業の給与体系はとても明確で、基本給に加え、自分が担当した整備の「工賃売上」や「部品売上」に応じて、インセンティブがしっかりと給与に反映されます。つまり、難しい整備に挑戦し、お客さまに満足していただける提案をし、仕事をこなせばこなすほど、それがダイレクトに自分の収入として返ってくる。「頑張っても給料が変わらない」と嘆いていた前職時代とは、モチベーションの持ちようがまったく違います。
ここでは、整備士一人ひとりが、お客さまと直接やり取りを行い、見積もりを作成し、段取りを決めて作業を進めます。責任は重いですが、その分、自分の仕事の成果が目に見える数字として表れる。「今月はこれだけ頑張ったから、これだけの収入になった」そう胸を張って言える環境は、家庭を持つ身としても、プロの職業人としても、非常に大きな安心感とやりがいに繋がっています。
もちろん、ただ個人の売上を競い合うだけのドライな職場ではありません。基本的には一人で完結させる仕事が多いですが、重整備や一人では危険な作業、判断に迷うトラブルが発生した時は、すぐに仲間が集まって助け合います。「あそこのリフト、手伝いが必要そうだな」と察して動くチームワークが自然と根付いています。個人の頑張りを正当に評価しつつ、チームとして支え合う。このバランスの良さが、高栄自動車工業の強みだと感じています。

今後やってみたいこと
技術を繋ぎ、チームで挑む。「直らない車」をなくすために
入社して16年。今では私も、後輩を指導する立場になりました。かつての私が先輩方にそうしてもらったように、私も後輩たちには「技術を惜しみなく伝える」ことを意識しています。今の時代、「背中を見て覚えろ」だけでは技術は伝承されません。相手がどこまで理解しているのか、何につまずいているのか。一人ひとりのレベルや性格に合わせて、教え方を変える工夫が必要です。「これ、前に教えたけど覚えてるか?」と作業に入る前に必ず声をかけ、わからなければ何度でも教えることを、まずは意識しています。私たちの仕事は、一歩間違えれば大怪我に繋がります。だからこそ、「安全」に関しては妥協せず、時には厳しく指導することもありますが、その根底にあるのは「長く、安全に、この仕事を好きでいてほしい」という想いです。
私の今後の目標は、シンプルですが「直らない車をなくすこと」。技術は日進月歩で、新しい車や複雑な機構が次々と出てきます。ベテランになった今でも、わからないことや悩むことは毎日のようにあります。それでも、知識をアップデートし続け、どんな車が来ても「高栄に任せれば大丈夫」と言っていただける存在であり続けたい。そして、それは私一人では達成できません。仲間が増え、チームとして育っていくことで、一人では出せない「100」の成果を出すことができるはずです。

未来の仲間へのメッセージ
これから入社される方に求めたいのは、特別なスキルや経験ではありません。ただ一つ、「車が好きであること」。これに尽きます。好きであれば、興味が湧きます。興味があれば、自然と調べたり聞いたりするようになります。そうすれば、技術は後から必ずついてきます。今の若い社員たちも、みんな車が好きで入ってきて、驚くほどのスピードで成長しています。もしあなたが、今の環境で「もっと整備がしたい」「もっと評価されたい」とくすぶっているのなら。あるいは、未経験だけど「車に関わる仕事でプロになりたい」と思っているのなら。ぜひ一度、私たちの工場を見に来てください。ここには、あなたが技術者として輝ける、広くて深いフィールドが広がっています。ちょっと不愛想に見えて、でも実は優しい先輩たちが、あなたの挑戦を待っています。



